FX経験者が語る〜円が変動相場制に移行した日〜

1971年8月15日に米ニクソン大統領がドルと金の交換の停止(ニクソンショック)を発表して以降、各国は自国の外国為替市場の対応策を検討するため市場を閉鎖、暫定的な変動相場制を採用していましたが、日本だけは閉鎖せずその後も固定相場(1ドル=360円)を維持してドルを買い支えました。

円が変動相場制に移行した日

ドル円が15年振りの円高ということで、市場関係者の間では市場介入の噂や可能性が交わされています。
それでは大昔の市場介入のお話をしていきましょう。

 

当時、テレビの海外生放送の普及もしていなく、インターネットがない時代、大蔵省(現在の財務省)や日本銀行関係者は、米国現地時間8月15日午後9時からのニクソン大統領の演説を米短波放送でキャッチしたといわれています。
日本時間では16日月曜日の午前10時、すでに東京市場はオープン、欧州市場はNY市場の前でしたので市場取引も終わり夜中でした。
「1ドル=360円」の固定相場に慣れ切っていた国内輸出産業や銀行が円切り上げで打撃を受けることを恐れたともいわれ取引は続行、その後の欧州市場は市場をいったん閉鎖、日本は市場を閉めれば再開時には円を切り上げるか、変動相場への移行を迫られていました。
欧州は暫定的な変動相場を採用、ドルは下落して行きました。
東京外国為替市場の扱いを巡り、大蔵省では市場を開けて切り下げが確実なドルを買い続ければ、政府が巨額の為替差損を被るとの市場閉鎖論は出ていたそうです。
ニクソン声明後も外国為替市場を開き続けた日本の円売りドル買い介入は、総額40億ドル。
今からすれば小さい金額ですが、当時360円計算ですと1兆4千億円にもなる金額です。
当時、就任間もなかった水田三喜男蔵相は海外情勢を把握のため、柏木元財務官を、米仏に派遣。
柏木元財務官は“ポール・ボルカー財務次官(現在オバマ政権、米経済再生諮問会議議長、元FRB議長)”ら米政府首脳と会談、円も無傷ではすまないと認識したと言われています。
ボルカー氏は当時の模様について、投機的圧力による金の海外流出を防ぐためにドルの安定を回復すること、そのために為替相場を変えたかったと発言しています。
大蔵省は22日の日曜、緊急省議を開催、変動相場制への移行を固めたそうです。
そして27日に水田大蔵大臣から変動相場制移行の発表、翌28日に実行に移しました。
12月のスミソニアン会議で新固定相場制が導入され、円は「1ドル=308円」に切り上げ。
1973年2月に日本は各国に先駆け変動相場制に踏み切り、「1ドル=260円」台まで円は対ドルで上昇しました。
今日、白川日銀総裁は、米カンザスシティ地区連銀主催のシンポジウム出席、バーナンキFRB議長もここで講演致しますし、各国の中央銀行総裁と意見交換をされるようです。
昔話ではありましたが、そういう意味でも8月はやはり円高の月なんですね。

インカムが個人消費には重要

個人消費とは個人(家計)が商品を購入するためや、サービスを受けるために実際に使ったお金ということはご存知ですよね。
お金を使うということは借金をする以外では、インカム(所得)がなければなりません。
大多数は労働により所得を得ていることから、一番影響を与えるのは雇用関連の経済指標となります。

 

米国では雇用関連指標として、労働省から発表される「失業率」「非農業部門雇用者数」「新規失業保険申請件数」などがあり、民間から発表される指標では、「ADP雇用調査」「チャレンジャー・
アンド・グレイ人員削減数」などがあります。雇用の善し悪しが政策転換に直結しやすく、米国の「失業率」「非農業部門雇用者数」が発表される毎月第1金曜日は市場が動くことが多いです。

 

これらの雇用関連の経済指標の中では、特に「非農業部門雇用者数」が注目されていますが、これは、同統計が非農業部門に属する事業所の給与支払い帳簿を元に集計されていることから、業種別、年齢別、性別、人種別など細かく雇用状況を把握できるからです。
一方の「失業率」は失業者数を労働人口で割ってパーセンテージに直したものです。
こちらは調査対象が少ないことや働く意思のない人(求職活動をあきらめてしまった人)は含まれないため、実体を細かく把握するには不向きで、注目度合いはやや低くなっています。
また、民間部門は労働省の発表より数日早く発表されることから、傾向を見るために利用されているようです。

これはチェック!重要視数

  • 2010/8/31 火 10:30 豪 7月小売売上高
  • 2010/8/31 火 16:55 独 8月失業者数(千人単位)
  • 2010/8/31 火 16:55 独 8月失業率
  • 2010/8/31 火 18:00 ユーロ圏 7月失業率
  • 2010/8/31 火 21:30 カナダ 第2四半期GDP
  • 2010/8/31 火 22:00 米 6月S&P/ケースシラー総合
  • 2010/9/1 水 10:30 豪 第2四半期GDP
  • 2010/9/1 水 17:30 英 8月PMI製造業
  • 2010/9/1 水 21:15 米 8月ADP雇用統計
  • 2010/9/1 水 23:00 米 8月ISM製造業景況指数
  • 2010/9/2 木 10:30 豪 7月貿易収支
  • 2010/9/2 木 20:45 ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)理事会
  • 2010/9/2 木 23:00 米 7月中古住宅販売成約
  • 2010/9/3 金 18:00 ユーロ圏 7月小売売上高(前年比)
  • 2010/9/3 金 21:30 米 8月失業率
  • 2010/9/3 金 21:30 米 8月非農業部門雇用者数変化
  • 2010/9/3 金 23:00 米 8月ISM非製造業景況指数